SDカードの選び方(初級編)

SDカードを買うときにどれにするか迷いませんか?

家電量販店などではたくさんのSDカードが展示されていて、どれも同じように見えます。多くの場合、SDカードを選ぶときに注目するのは、形、容量、読み出しと書き込みの速度でしょうか。

SDカードの使い方によって、優先する項目が変わると思います。

形は見ればよいのですぐに選べます。最近はmicroSDカードを使う場合が多いと思います。アダプターも使えますし。

容量も用途で必要な容量も見当がつきます。保存したいデータ量が十分に入るように選べばよいと思います。売り場に写真なら何枚ぐらいといった概算表がでていますね。

読み出しと書き込みの速度は、用途と使用する機器できまります。機器の説明書を詳しく調べるとわかります。高速度ビデオやカメラだと、十分に速い書き込み速度が必要です。書き込みが間に合わないと映像は撮れても保存できなくて、カメラの性能を生かせなくなりますね。

ここまでの項目は規格が決まっていて、製品のパッケージを見るとどこかにマークや説明が書かれています。

そのほかに注目しなければならない点はないのでしょうか?

そうです。寿命です。SDカードをしばらく使っていたところ急に読み書きできなくなったことはないでしょうか? いきなり読み書きできなくなると困りますね。

読み書きできなくなる原因の多くは、フラッシュメモリーの寿命によるものです。

SDカードやUSBメモリーで記憶素子として使用しているフラッシュメモリーには、素子の動作原理から書き換え回数の上限があります。また、読み書きしていなくても何年か経つと読み書きできなくなります。このどちらかによってSDカードが読み書きできなくなります。

寿命に影響する要因のひとつにフラッシュメモリーの素子の種類があります。フラッシュメモリーの素子の種類には、SLCタイプ、MLCタイプ、TLCタイプとあり、この順番に書き換え回数の上限が大きく、読み書き速度が速く、価格が高くなっています。多くの量販店で売られているSDカードではTLCタイプの素子が使われているとされています。(素子の種類について明記していない製品が多いです。)

寿命を延ばすために、SDカードに入っているCPUと呼ばれる制御回路でも工夫されています。たとえば、ウェアレベリングと呼ばれる技術でフラッシュメモリのたくさんの素子に読み書きを分散させてカード全体の寿命を延ばすといったことをします。

このような耐久性や寿命を考慮したSDカードがあり、「産業用SDカード」や「業務用SDカード」と呼ばれたりしています。産業用SDカードは、メーカーごとに、素子の寿命の対策のほか、残り寿命の測定や電源断対策、動作温度対策といった耐久性を向上させる工夫が施されています。「産業用SDカード」や「業務用SDカード」といったキーワードで検索すると見つかります。ただし、一般には販売されていないものもあります。

ドライブレコーダーや組み込み機器用メモリ、業務データの保存先といった重要なデータを使うような用途によっては、このようなSDカードを検討してみてはどうでしょうか。