SDカードよ、どこへ行く?

 SDカードについて、一般ユーザーとしての個人的な思い。

 2018年6月SDアソシエーションから、次世代SDカード規格「SD 7.0」を仕様策定したとの発表がありました。そこには、「SDUC(SD Ultra Capacity)」と「SD Express」というものが含まれているとか。
「SDUC」は、SDカードのストレージ容量を最大128TBに拡張するもの。「SD Express」は、接続規格の「PCI Express 3.0」と「NVM Express(NVMe) 1.3」を採用しており最大転送速度が985MB/sになるというもの。1秒で約1GBのデータを転送できることになります。
規格の策定としては大容量化に向かい、大容量化に伴い転送速度の高速化は追従しなくてはならない課題ではあることは理解できますが。
『ファン待望の2TB超SDカード、ついに登場!!』となるのやら?

 現実を見ると、SDカード一般ユーザーの利用は、カメラ、ビデオ、ドライブレコーダー、監視用カメラ、PCといったところ。ホスト機器の場合、データの取り込みやカードの交換など必要となったときホスト機器からSDカードを取り出しますが、ほとんどはその機器に入れたままで使用しています。一方、PCで使用する場合は、USBメモリと同じようにデータを保存して生身で持ち運ぶといった使い方になりそうです。

 このような状況から、一般ユーザーが求めるものは、テラバイトのSDカードというよりは、万一SDカードを紛失してもデータが漏洩しない暗号化、ロック機能であったり、最近何かと話題になるドライブレコーダーにおいては、装着して常時書き込みが繰り返されても撮りこぼしの無い頑健性や信頼性でしょうか。
ドライブレコーダーによる映像は、事故時の状況を映し出すばかりでなく、美しい・珍しい風景の紹介、危険運転・あおり運転の対策、災害や事故現場の投稿、容疑者や特定の車の行動を追尾するための監視カメラ的な一面まで、当初想定していなかったような利用の仕方が見られます。プロ仕様の数十万のカメラで高速連写といった映像作家さんとは違い、SDカード一般ユーザーはより生活に近いところで利用するための性能や機能にニーズがあるように思うのですが。

 2009年に「SDXC」規格でSDカードのストレージ容量が最大2TBとなりましたが、発表から10年を経過しようとしている現在、私は1TBのSDカードさえ店頭で見かけたことがありません。1TBのSDカードを見つけても、自分自身、数万円かけてまで大容量SDカードを求めはしないのでは、これが現実かと思います。
結局大量に売れないから量産されず、価格は下がらない、という負のスパイラル。2TB超の大容量SDカードがいつ、いくらで店頭に並ぶのか。

 SDカードは、どこへ向かって行くのでしょう?