タイトルの回答としては、SDカードフォーマットツールは、論理フォーマットで、SDカードには、物理フォーマットは製品レベルでは存在しません。論理フォーマットと物理フォーマットの違いについて説明します。論理フォーマット(する)は、セクター(SDでは512バイト)にファイルシステム規格に合った値を書き込むことで論理フォーマットします。よって、ほとんどのメディアやストレージには、論理フォーマット(する)があります。
どんなメディアでも物理フォーマット(する)が存在すると思っている人もいますが、SDカードには実のところありません。もしも、PCなどのソフトウェアで、「物理フォーマット」という選択ができ、そのドライブにSDカードがあったとしても、物理フォーマットはできません。理由は、SDカード規格には、物理フォーマットということばがないからです。物理フォーマットに相当しそうなものもありません。百歩譲って似ているとしたらイレースくらいです。しかし、一昔前のメディアやストレージにあった物理フォーマットとは全然違っていると思えます。
物理フォーマットと言えば、フロッピーディスク、ハードディスク、DVD、あたりが実質ありました。
フロッピーディスクも、8インチ、5インチ、3.5インチとありますが、その頃はトラック、シリンダー、更にその中にいくつのセクターをいれるかなどを変更することができました。IBM PCフォーマットと、PC98フォーマット、640KBと720KB(2DD)、1.2MBと1.44MB(2HD)の容量の差は論理フォーマットだけででなく、物理フォーマットも関係しています。最近のメディア、ストレージは、トラック、シリンダー、セクター数など、互換のために値はありますが、ほぼ固定です。
次に、HDDと、DVD-RAMの物理フォーマットについて(今のHDDは存在しないかも)は、規格書で書かれていましたし、一般的に使われていました。どのような時に使っていたかというと、不良セクターが出た時に使っています。今は不良セクターをシステムが感知したら自動的に代替えをしますが、その頃はそこまでの性能がなかったため、メンテナンスとして代替え処理(これも規格としてあります。reassignや、format unit コマンドです。)をして、使っていました。今だとHDDでも不良セクターが見つかったら、そんなことしないで、ほとんどの人がHDD交換かなと思います。物理フォーマットは全部のセクタをチェックして、不良セクターが見つかったら代替えする処理をすることを意味しています。代替えというのは、不良セクタへのアクセスを予備のセクタのアクセスとなるように設定することを意味します。
最近のHDDや、SSDには、物理フォーマット(する)が存在するのかというと、実質の物理フォーマットはそのストレージのメーカや、型番次第と思います。HDDやSSDは、インターフェースの規格が、SATAや、SCSI系統の規格ですがこれらには物理フォーマットのコマンドとして入っています。しかし、その実装をHDDや、SSD内部で本当にしているんかどうかはわかりません。互換性のために、HDDや、SSD内部で物理フォーマットのコマンドを受け付けても、すぐに正常に終わったと返す場合もあるからです。
つまり、物理フォーマットがそのメディアでできるかどうかは、インターフェースの規格と、メディアの規格、メディア自体、すべてに物理フォーマットが定義さている場合だけ本当に物理フォーマットができると言えます。