偽装SDカードを見つけた!SanDisk(サンディスク)をかたるSDカード 内容をチェックしたところ…(2/2)

Part 1は外見のチェックをしました。いろいろ外見には問題があったのですが、単なる印刷ミスかもしれません。中身は…ということで中身を確認します。

弊社では、いくつかSDカードリーダがありますが(普通誰もあります)、認識できないものもありました。(この理由は後で) 認識できるカードリーダでどのようなファイル構造になっているのかを調べてみました。

規格上は、容量64GBですので、exFATのファイルシステム構造になっていなければなりません(SD規格準拠であれば)。 そうなっているのか、弊社Media Analyzer Premium Edition Plusで確認しました。 exFATでは認識できず、FAT32で認識しました。これがその時のスクリーンショットです。Master Boot Recordの論理パーティションの先頭ですが、ファイルシステムタイプがFAT32となっています。こんなのは当然ありますのでまぁ、仕方がありません。ただ、パーティションサイズが、64GBに合わせてあります(当然ですが)。本当にフラッシュメモリが64GB入っているのか確認してみます。

確認するには、SDカードフォーマットツールを使います。 SDカードフォーマットツールでは、上書きフォーマット、イレースフォーマット、クイックフォーマットが選択できますが、容量などを確認するには、クイック以外を選択します。今回は、上書きフォーマットで調べてみます。
このmicroSDHCは、Class10と書かれていますので、10MB/s の連続書き込み速度となりますので、10GB で1000秒、64GBで、6400秒となります。1時間50分ほどとなります。ということで、19:50から、100分でとおもっていたら、24:00まで4時間以上かかりました。よって、Class10というよりも、Class4程度の速度でした。

容量詐称の方法は、3種類あります。

  1. セクタ途中でアクセスできなくなる。つまり、SDカードの容量の値が書かれているところの値を増やしただけの場合。
  2. セクタのアクセスのアドレスの上位ビットを無視して読み書きする場合。似たよう方法もありますが、特徴としては全部のセクタのread/write/verify(短期的)は成功します
  3. Master Boot Recordのパーティションサイズのみ大きくしている場合。 Windowsでは、Master Boot Recordのパーティションサイズと、SDカードの容量が食い違っている場合、Master Boot Recordのパーティションサイズ(パーティション全体の和)の1.5倍まではエラーと表示しません。1.5倍を超えると、「フォーマットしてください」などのメッセージが表示されます(Windows7までは)。

簡単にできるのは3ですが、一番すぐにばれてしまうので、1または2が多いようです。

途中で止まるかなと思ったのですが、最後までエラーもなく進みましたので、全セクタ―を網羅しているのは確かと思います。疑えるところは、セクタアドレスの上位ビットを無視して書き込むパターンのみとなります。ということで、そのチェックをしてみました。使うアプリケーションは、’CheckFlash’ です。screenshotを見てもらうと、予め全体に書き込んだ値を後から読むと値が違っているというものです。どのあたりまでメモリが存在するのかわかりませんが、上記の推測の2相当でした。

Check Flashでのscreenshot

Check Flashでのscreenshot


では、SD規格の問題点をまとめて列挙します。

  1. 容量とSDバージョンが食い違い
  2. CPRMは、必須なので 0は問題。よって、ワンセグ録画等CPRMを使うものには使えない。
  3. Class10の印刷があるのに、中の値ではClass2。
  4. このSDカードに書かれている固有のIDが違っている。
  5. 容量の詐称。セクタアドレスのtopビット数個を無視してセクタのread/writeを行うようになっている

後この製造メーカは、実は他の件で知っています。ある会社から調査の依頼があったSDカードと同じ製造メーカのものと思われます(固有IDが似ている)。それは、128M(128Gではなくて、128Mです)のmicroSDカードでした。以前から APPSDと書かれているSDカードがあり(内部の値としてなので見た目としてはわからない)がありいろいろ問題がでていることで有名なカードです。

以上が調査結果です。日本の通販でもこの製造会社のSDカードが有名メーカを語って販売しています。要注意です。

(Part1をみる)